スマホとパチンコとサーフィン
旅先のある田舎町で、朝早くからパチンコ屋に行列を作る人々を見ながら、スマホを手放せない理由について述べられたある本の一節(というかそれについて話されたネット動画)を思い出していた。
人類は、農耕を手にする新石器時代までの長い期間、狩猟採取の時代であったとされ、その長い時期に人類は狩猟採取しながら生存するための仕組みが脳内に作られ、しかも今でもその脳は機能し続けている。ついついスマホを触って時間を使ってしまうのは、狩猟採取の時代に作られた脳のシステムによって今でも人々を中毒化させることだった、ように思う。
その脳内の仕組みとは、生存するために不可欠な狩猟採取のための行動によって脳内に報酬系ホルモンが分泌されるといった話だったが。例えば、森の中に分け入り食料を探す時、その探す行為はただただ空腹によって嫌々行われるのではなく、探す行為自体が宝探しのような快楽として脳が反応しているという。まぁ人はギャンブルが好きな脳を初めから持っている訳で。つまり、食べ物を発見し手に入れる行為だけに快楽物質が出ているのではなく、探しているだけのプロセス時にすでに報酬系ホルモンが出ているということ。
(※うる覚えです。注意!)
最近、テレビを見なくなって久しい。時々、出張先のホテルなどで夜、何の気なくテレビをつけてみると、つまらない番組だらけで消せば良いので、リモコンをいじりながらついつい何周もザッピングをしてしまう。その8番組そこらのテレビ番組のザッピング行為、つまり情報を探し求めて彷徨う行為が、現代でいうスマホいじりになるのだろうと話していた。ネットの世界はテレビと違い、何か見つかるのではないかと彷徨える情報の森はとことん広大である。もっと有効な有益な情報を得られるのではないかという期待だけを持ちながらやはり無益で広大なザッピング行為を行なっている。何も得られるものがない、いや得たいものすら存在しないのに、深い森の中に分け入り食料を探す行為を行ってしまうのかもしれない。
人類は生存のために狩猟採取する必要がなくなったにも関わらず、日々、シャドー狩猟採取行為をしてしまう運命にある…………森をさまよい、浜辺をさまよい、食料を探す行為が、完全に生存には無意味な行為として、都市生活の中で形骸化して残されてしまった、ということか。
パチンコ屋という獲物が隠れた森を彷徨う人々もまた、その脳に支配されている。
そういえば。
最近、瀬戸内に引っ越して、サーフィンができなくなって一年が経つが、ようやくサーフィンという行動を客観的に見れるようにいなった。そうするとサーファーの行動の奇妙さが少し見えてくる。サーファー達はスマホを手に波や気候のコンディションを日々チェックし続け、陸にいながら波の様子を意識し続けている。波の立ちやすい浜辺=サーフスポットというのは海という大自然だが、有名なスポットだと、早朝から待ちきれないサーファー達が押し寄せる。彼らは、時々出会える奇跡的な波に取り憑かれている。最高の波に乗った瞬間の興奮は忘れられないのだ。サーファー達は海に浄化されたキラキラした目で「波は一期一会だ」という。何だかかっこいいけど、ただただ今考えてみると、この状況は完全に脳内が狩猟物質でギンギンに慢性化している状況で、これを利用して人工的に作られているのがパチンコなのかもしれない。連チャンやらの確率やら何やらを勉強して計算して、最高の状態のパチンコ台との「一期一会」を夢見て、我先にと朝から並ぶ人々、それもサーフィンも同じ要素が多い。分かる人だけが分かるルールや用語やらもあって、パチンコとサーフィンは似てなくない。
僕はパチンコはやらないけど、サーフィンにどハマりしていた愛知の三年。もちろんそのことで僕は生まれて初めて自分の体や健康を意識するようになったし、日々の天気や季節や自然などを気にするようになって、豊かな経験ではあったが。一方で、僕は日々、頭のどこかで波のことばかりを気にしていたし、スマホで波情報をチェックしていたし、暇を見つけてはせっせと海に通っていた。波があるだろう情報の日、朝一で海に向かう車の中では、脳内ギンギンにキマリまくっていた。
今では、「瀬戸内の島に移住」という絶対的なサーフィンと隔離された環境=禁サーフィン牢屋に監禁されて、ある意味で依存症が癒えてきたのか、今ぼんやりとそう思う。サーフィンは大自然と向き合うエコなスポーツだけど、みんな狩猟採取の時代の脳に支配されている状況なのだろう。でも、パチンコやスマホ依存と比べるともちろんエコではあるが、ただ、波の取り合いでルールや喧嘩もよくあるし意外と穏やかではないし、サーフィンも毎シーズン新しいウェットスーツやサーフボードやらの新製品や新流行が次々と出るし、意外とお金はかかる。
※参考リンク=【 Yahoo知恵袋「サーフィンとパチンコが趣味です。サーフィンと、パチンコ ...」】
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1235260462
パチンコとサーフィン、同時にハマる人っているのかな?と思い、検索すると、上のリンクのページ出てきた。
パチンコにサーフィンは勝る、と書かれている。
それなら、ギャンブル依存症で困っている家族や本人の解決として、サーフィンは有効なのかもしれない?
サーフィンは、海の上だからタバコも吸えないし、スマホも持てないし、自然の中で気持ちもスッキリするし、実は中年でもデブでも始められる乗れるし、健全なドラッグと言える?