はじめての文字
3歳の娘は、かれこれ半年前、いやそれ以上前から、文字の存在には気がついていた。
絵本の中に書かれたグニャグニャした羅列が文字でありそれを大人は音として読んでいること。
ただ、そのどれがどの音で発音されて読まれているかや、どのようなルールで書かれているかなどは理解していない。ノートにグニャグニャした羅列を書いてみたりすることが増えてきた。文字を書きたい気持ちが膨れていくのを間近で感じていたがその壁は中々超えられなかった。それは暗号を解読するようだ。
そこについ突破口が開いたのは先日、寝る前にいつものように絵本を取り出し表紙を読んだ時だ。
『ぶたぶたくんのおかいもの』をみて「どれが「の」なの?」と聞いてきた。そして、2つの「の」を指をさして教えてあげると本の中や別の本の中から「の」を探し始めた。たまに「め」も間違えて入っていたが、大きな第一歩だった。
翌日、紙に僕が「の」を書いて、下に書かせてみた。
上が僕が書いた「の」で、下はそれをみながらゆっくり娘が書いた「の」。
なるほど。確かにこう見える。
それ以来、文字の練習に目覚めた娘。徐々に「の」が「の」らしくなってきている。
文字を書いたり、本を読んだり、そのはじめての第一歩。
「の」かぁー。