@台湾

2011年9月22日 21:24 下道 基行 */?>

朝10:30分から設営、手伝ってくれる若いアーティストに作品について聞く。
手伝ってくれているひとり、海馬は雑誌に連載を持っている。彼の連載はとても面白い。
雑誌の種類は農家やガーデニングをする人が読む植物あ農業のもの。彼はその中で、都市生活で役立つ食べられる植物や料理やそのほかの情報をイラストと共に紹介している。まぁ、坂口恭平的に言うと都市的狩猟かな。彼のおもしろいとこは、食用植物の参考資料が植民時代に日本人の研究者によって書かれた本だと言う事。この本は、未知の南国台湾での、リアルサバイバルの為の研究された書かれた資料であり、それが現代の都市に置き換えられ利用される事は興味深い。
その資料の味などは”優良可”に分けられていて。昨日、食堂で海馬は少し変わった青菜の炒め物を注文して、おもむろにその本を取り出して、「これこれ」と見せてくれた、やはり味は"優"だった。"可"ってどんなだよ!?と盛り上がる。結論は「可=if you are hungry, you can eat it」。
みんな大学生かと思ったら、みんな卒業生ばかり、そして多くが今年もしくは来年から兵役らしく。
彼の連載も兵役によって、途中で終わってしまうかもしれないそうだ。
彼はこれらをまとめて本にしたいらしいが、悩ましい。

夜は大学構内でお月見BBQをする。台北芸術大学の敷地は山の上にあり夜景が美しい。東北芸工大ににている。ただ、違うのは、夜遅くまで生徒がわいわいと騒いだりBBQしたり、何かの練習をしたり、活気がある事だ。日本の大学は、構内での飲酒禁止や時間厳守など、制限が増えてきていて、なんというかこういう空気は近年劇的に失われているんじゃないかな?

何より人がいい。台湾。
あまりメディアに出ていなかったけど、東北の震災の時の世界一心配して支援してくれたし、
少しどこかでお礼を言えるといいんだけど。


レジデンスでは、ジーザスは姿を消し、代わりにクロアチア人のメディアアーティストが滞在?
彼女は台湾で結婚している様子。昨日は深夜にラウンジで爆音でピピロッティリストの新作を一緒に見ることに。全編ドイツ語を楽しそうに英語に訳してくれるが、その英語がよく理解できない。ただ、映像のみで分かる部分は多い。
その後、彼女はクロアチアの弟とスカイプ。弟はお世辞にも上手いとは言えないギターをひいてくれる。途中でつまったりする感じが妙にほっこり。弟を見る姉のまなざし、万国共通。


(続く)

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ピピロッティリスト インタビューより

しきたりは私の研究分野です。わたしたちが、自己防衛や生き延びるため、また、ある程度、平和で秩序のある生活を保つために、どのしきたりが必要なのか、必要ではないかといったことを調べています。
一方わたしたちはあまり考えずに、しきたりに従います。それは、時間がないといった理由だったり、しきたりを破るという意欲がなかったり、想像力がなかったりするためです。勇気の問題です。

映画ではしきたりは、新しく作り出すものでもあるということを指摘しています。私たちは何世代にもわたって今の世界を作り上げてきたわけで、今ある社会は前からあったわけではありません。


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2011-09-22 11:07