ベトナム

2011年10月 5日 21:28 下道 基行 */?>

ベトナムハノイ5日目の朝。
元隣人マモルと二人でこちらへ招聘され、滞在制作中。
ベトナム人アーティストのマミが今回3人展を企画し、予算が降りて無事こちらへ来た。
3人ともトーキョーワンダーサイトで同じ時期に滞在した繋がり。
トーキョーワンダーサイトでの1年滞在は、日々の生業をしながら自分の展示等をしながら、さらに東京の家自体がアーティストとの共同生活&作業場だという、結構過酷な日々だったけど、色々な外への広がりと内への疑問を与えてくれた、濃厚ですばらしい日々だった。1年間なのに、終わる頃には、何だか学友とともに大学の寮生活を終えた様な感覚。
今日のベトナムは、少し雨で、とりあえず到着の歓迎?バタバタを終え、生活がはじまった感じ。

街角の路上のプラスチックの椅子を並べただけのお茶屋さんに腰を下ろし、3人でグループ展の内容をねる。
前回のハノイに来た時驚いたのは、この町の生活力や圧倒的な風景や生活爆音。
僕の興味は、基本的に新しくモノを作るのではなく、目の前の現実を角度を変えてフォーカスしているだけに近い(写真だし)。マモルの作品も、ほとんど作品らしいモノとしての作品は生み出さず、日用品を使って音にフォーカスするような作品。今回はたぶん、作品らしいモニュメント的オブジェのいらない展示を探りたいと思っていたし、それがこの3人展示のコアになるのではと考えていた。
お茶屋さんで、マミにその話をすると、「everything is already there」という言葉がでてきた。”既にそこにあるもの”。1番好きな大竹伸郎の本のタイトルを連想させる言葉。今回のテーマだろうと思っていた言葉。それが彼の口から出てきた。おもしろい。
その後もカフェやお茶屋さんで話している状態が続いている。
展示は今月末28日から。

昨夜は、滞在している家と近所のベトナム焼き鳥屋でビールを呑みながら、マモルと話す。
人びとの生活のノイズだらけの町で、自分たちの些細な視点/行為は意味をなすのか…ただの外国人観光客の視点になってしまうのではないか……そんな沢山のこと。

とりあえず、毎日お腹はいっぱいです。
ありがとうベトナム料理。
あと、台湾もそうだったけど、海外滞在で現地に友人がいるのは本当に素晴らしい。

2011-10-05 12:47