「再考現学 / Re-Modernologio」
昨年12月より、大雪の青森の国際芸術センター青森で滞在制作を行っています。
青森出身の今和次郎の展示が青森県立美術館、そして東京でも開催されていますが、
今回僕が参加するグループ展『再考現学』は、「考現学」的視点を持つ若手アーティストが選ばれ、青森で滞在制作を行ったグループ展になっています。
僕は、大雪の青森市内をとにかく歩き、”道のようなもの”を撮影した新作『crossover』。さらに、昨年7月にαM galleryで制作した用水路に架けられた”橋のようなもの”『bridge』と、10月にベトナムハノイで制作した『connect』、この震災後にスタートさせた3つのシリーズが繋がり、人々が生活の中で生み出す『行為のかたち』をテーマに展示します。
静かな雪に閉ざされた国際芸術センター青森へ、ゆっくりした時間を過ごしに、是非お越し下さい。
I participate in group exhibition "Re-Modernologio".
This place Aomori is big snow this year.
This museum/Residence is at big snow mountain, and so quiet.
I walk around and took photos about snow roads "crossover".
please come here, and spend good slow time with our works!
「再考現学 / Re-Modernologio」
phase3 : 痕跡の風景
国際芸術センター青森
2012年2月18日(土)~ 3月25日(日)
10:00 am - 6:00 pm 入場無料/無休
■参加アーティスト
佐々木愛(シュガーペインティング・ドローイング)
下道基行(写真・インスタレーション)
アマンダ・ベランタラ(サウンドアート)
ジュー・チュンリン(アニメーション)
"アーティストの活動を媒介に、人間の生の痕跡を風景の中に見出す。"
今年度国際芸術センター青森では、青森県出身の考現学者、今和次郎が提唱した「考現学」を年間を通じたキーワードとし、考現学的態度や視点をもつアーティストの活動を「再考現学」展として、ご紹介する展覧会を開催してきました。第3回目となる本展、「再考現学 phase 3:痕跡の風景」では、考現学を都市の中で人間の生活の痕跡を見つけ、観察し、記述することと捉えました。しかし当然のことながらこうして見つけたモノたちの消化の仕方、提示の仕方は、考現学者のそれとアーティストでは異なると思います。
再考現学的視点で世界を観察するということ、それは街の中にあるいは風景の中にある種の新鮮さを見つけることであり、そこには現代に対する鋭い視線、そして人間の活動についての深い関心があるということはいうまでもありません。それは着目した「何か」を媒介に今そこにある現実の実感のようなものを確かめることでもあるかもしれません。
一方着目された「何か」は、取り上げられることで別の何かを示唆し、別の現実を提示しうる可能性を持つでしょう。アーティストの場合、彼らはその着目した何かを作品としてもともとある文脈からずらした場所と仕方で提示することで、社会あるいは現実の見方を変化させる可能性を持ちうるといえるのではないでしょうか。そしてそれこそが単なる風景が人間の根源的かつ、やむことなく続き、抑えがたい欲望としての創造の起点となりえた事実、そしてそれを人間だけが昇華させえた「芸術」という形へと続く道筋の始まりのようなものであるのかもしれません。
本展で、アーティストが風景の中から見つけた人間の痕跡を、アーティストの活動を媒介に、再び作品として現れたものが提示されるでしょう。
また同時開催として現在の青森での生活がベースとなっている方の写真作品による展覧会「ヴィジョン・オブ・アオモリ」を開催します。雪深いACACでの最後の「再考現学」展をお楽しみください。
※「考現学」とは:青森県出身の建築家今和次郎(1888-1973)が提唱した学問。現代の社会現象を場所・時間を定めて一斉に調査・研究し、世相や風俗を分析・解説しようとする学問。ドローイングを用いたフィールドワークを特徴とし、のちの生活学や風俗研究の先鞭となった。
"Re-Modernologio" phase3: Traces of Landscape
Aomori Comtemporary Art Centre
Exhibition : 18 February, Sat. - 25 March, Sun, 2012
Open hour : 10am - 6pm
Admission : Free
Artist :
SASAKI Ai (drawing, painting / Osaka, Japan)
SHITAMICHI Motoyuki (photo / Okayama, Japan)
Amanda BELANTARA (sound art / USA)
JOO Choon Lin (animation, installation / Singapore)