03《瀬戸内「鍰造景」資料館 》

2021年7月28日 13:54 下道 基行 */?>


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03《瀬戸内「鍰造景」資料館 》

会場:宮浦ギャラリー六区
   瀬戸内「   」資料館
   〒761-3110香川県香川郡直島町2310-77
開館日:8月14日-9月12日のうち土日および8/23(月)、9/6(月)のみ開館
開館時間:13:00-16:30
※上記の日時以外に来館を希望される場合はご相談ください。
料金:無料
問合せ:公益財団法人 福武財団 087-892-3755(地中美術館)


【企画説明】
アーティスト・下道基行が監修する≪瀬戸内「   」資料館≫は、2019年9月から始動しました。瀬戸内海地域の景観、風土、民俗、歴史などについて、そこに住む人々、関わりを持つ人々とともに、各分野の専門家も交え、調査、収集、展示し、語り合う場として構想しました。「   」の中には毎回の展示のテーマが表記されます。一連の営みは記録として保存し、次への展開に活用していきます。

第三回は≪瀬戸内「鍰(からみ)造景」資料館≫と題し、銅製錬の際に発生する不純物である「鍰」がつくる風景に着目します。
直島では1917年から銅の製錬所が稼働し、主たる産業として島の生活を支えてきました。鍰製の煉瓦や瓦は、直島では1950年代に製造されていたといわれており、住宅の基礎や外壁、階段などに用いられ、現在も島の随所で目にすることができます。
2020年3月に直島に移住した下道は、風景のなかに残る鍰に注目しました。同年4月には鍰に関心を寄せる島民二名※1とともに「直島鍰風景研究室」※2を立ち上げ、一年以上に渡り島に残る鍰の風景を撮影・収集しました。調査の結果は「直島鍰風景地図」に結実し、本展でも各所の写真とともに紹介されます。
下道は銅鉱山やかつて製錬所が存在した町など、銅製錬に縁のある日本各地にも足を運びました※3。荒川鉱山があった秋田県大仙市で下道が出合った「からみ製大黒」や、鍰製の墓石、尾小屋鉱山があった石川県小松市の集落などからは、日本の近代化の歴史や、銅製錬とともにあった人々の営みが浮かび上がります。
直島や日本各地の鍰がつくる風景を通して、私たちの足元に確かに存在する近代化という歴史の地層を体感いただきたいと考えています。

※1 岡本雄大、アンドリュー・マコーミック
※2 「直島鍰風景研究室」のInstagram。直島の鍰風景が撮影・収集されている。
https://www.instagram.com/naoshimakarami/
※3 「日本鍰風景資料館」のInstagram。下道が日本各地の鍰風景を撮影・収集している。
https://www.instagram.com/japanslagscapearchive/