Compassionate Grounds

2021年5月12日 09:47 下道 基行 */?>
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オーストラリアでグループ展で「津波石」を展示しています。
言葉の解さない「津波石」の映像作品が他の場所へ旅をして、人々に見てもらえることは嬉しい。
http://compassionate.gs/jp


「温情の地:震災から10年の東北
COMPASSIONATE GROUNDS: TEN YEARS ON IN TŌHOKU」

Compassionate Grounds: Ten Years on in Tohoku is an exhibition at Composite, Collingwood Arts Precinct, Melbourne from March to September 2021 and Metro Arts, Brisbane in August 2021. Emily Wakeling is a Queensland-based curator and art writer.

I acknowledge the traditional custodians of the lands on which this exhibition is held and extend my respect to elders past, present and emerging.

This project has been assisted by the Australian Government through Australia Council, its arts funding and advisory body, plus support from Bus Projects and Metro Arts.

Exhibition:
Mar – Sept, 2021
Composite Space

Masahiro Hasunuma
Chaco Kato
Kyun-chome
Natsumi Seo & Haruka Komori
Masaharu Sato
Lieko Shiga
Motoyuki Shitamichi

Curated by Emily Wakeling

ちょうど10年前、東日本大震災と津波によって壊滅し、そしてその後の再建によって劇的な変化を遂げた東北の風景は、益々多くの日本人アーティストがビデオ作品の題材として扱うようになって来た。

2011年3月11日午後2時46分、岩手県、宮城県、福島県の31の沿岸市町村がマグニチュード9.1の地震に襲われ、それに続く最高40メートルにも及ぶ巨大な津波によって失われた。建物、車、そして人間もが海に飲み込まれた。生存者たちは約18,000人もの犠牲者の死を悼んだが、(しばしば「3.11」と呼ばれる)この震災はそれだけではなく、何十万もの世帯から家を奪い、日本の地方部にすでに進行していた人口減少を更に加速させることとなった。

日本のコンテンポラリーアートを遠方から継続的に研究する「温情の地:震災から10年の東北」は、アーティスト達が遠隔からの観察や生存者との直接のやりとりを通じて、震災の生存者の間に未だにこだまする社会的トラウマの表現として風景にフォーカスしたスクリーンベースの作品の展示会である。建設現場、瓦礫、防壁、高い防潮堤は、この震災とその後の政府による「復興」プロジェクトが人々やコミュニティに与えた今なお続く目には見えにくい影響を具現化したものである。オーストラリアの二つのアートスペースから、震災10周年とその今も続く影響を観察した。