『MAMコレクション001:ふたつのアジア地図―― 小沢剛+下道基行』
『MAMコレクション001:
ふたつのアジア地図―― 小沢剛+下道基行』
会期:2015年4月25日(土)-7月5日(日)
企画:片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
「MAMコレクション001」では、世代の異なるふたりのアーティスト、小沢剛(1965年生まれ)と下道基行(1978年生まれ)が見てきたアジアを、「ふたつのアジア地図」と題して紹介します。小沢は1980年代末から世界各地を旅し、その場の風景に伝統的な日本の風景を象徴する地蔵を添えて撮影してきました。本展では、この「地蔵建立」シリーズのうちアジア各地で撮影された作品を展示します。一方の下道基行は、2006年から2012年にかけて、日本の国境の外側にある太平洋戦争の遺物として、いまも残る鳥居を撮影しました。明治から終戦まで統治した台湾や韓国から、サハリン、サイパンまで、本殿を失った鳥居の歴史と現在が静かに伝わってきます。彼らが歩いたアジアの軌跡からは、政治的、社会的な変化とともに、そこで積み重ねられた人々の営みが見えてくることでしょう。