深谷通信所
神奈川の深谷通信所跡地に滞在。サイト・イン・レジデンス『環世界 資料室』のガイドブックのふろくのようなミニ冊子を作りました。
円形の敷地の境界線の上を歩き、内側にカメラを向けた側と外側に向けた側をポストカードサイズの蛇腹の裏表に印刷しました。この場所は今後劇的に変化していくと思います。2015年1月の記録として、数年後に再びその土地に訪れて見ながら歩くと面白いかもしれません。冊子はくるりと五角形にして眺めるも良し。
深谷通信所
2015.12.11-13
深谷通信所の敷地は直径約1キロのきれいな円形をしている。地図を手に敷地の境界線の上を歩きながらそこから内側と外側へカメラを向けた。外周の円は柵で囲まれていないが、1/3程度は道路によって弧が描かれていて、残りの2/3はよく見ると約数十メートルおきに杭が打たれている程度で、内と外は緩やかに繋がっている。過去から現在へ、航空写真で眺めると、円形はこの辺りの開発が進む1960年代まではぼんやりとしている。1960年代以降、この円形の輪郭は、内側の風景がほとんど変化しない事とは対照的に、周囲からの開発で敷地ギリギリまで宅地など整備がなされることによって、外側から大地に描かれていった。役目を終えた大地の円形は今後どのように変化して行くのだろうか。 下道基行
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『環世界 資料室』
http://www.siteinresidence.org/
環世界資料室は、元米海軍深谷通信所に関する資料室です。
2014年6月30日、戦後70年間米軍基地であると同時に、
菜園や野球場、散歩道など、人々が集い利用する共有地であった米海軍深谷通信所が返還されました。
それから6ヶ月。その風景は急速に変わりつつあります。
「環世界資料室」では、この土地の歴史の断片を物語るさまざまな資料に加え、
3人のアーティストが、彼・彼女らの眼差しで捉えたこの土地の姿をご紹介します。
ここは、この土地にいま一度向き合うための小さな資料室です。
企画:坂田太郎 デザイン:木村稔将